彼女は、ボタンを見た。
焼けつくような熱が、身体を内側から揺らす。
逃げたい。
ただ、それだけだった。
――救いに見えた。
乾いた喉に落ちる、一滴の水のように。
だが。
それがどこへ繋がるか、わかっている。
戻れない。
仕方なく、踏み込んだだけのゲーム。
逃げ場のない現実に押し出され、選ばされた場所。
どこまで壊れずにいられるか。
ただ、それだけを測られる。
――もう、いい。
賞金は足りている。
借金は消える。
それでも。
彼女は笑った。
震える足で、一歩。
ボタンに、触れる。
わずかな間。
――押した。
原作人間 編集AIチャッピー