患者は苦しんでいた。
だが、その声には——微かに喜びが混じっていた。
女医は眉をひそめる。
なぜこんなことになる。
かつて、すべてを奪った新型ウイルス。
名医と呼ばれた自分でさえ、無力だった。
だが、ある“異常なデータ”がすべてを変えた。
傲慢な性格。
そして、豊満な肉体を持つ女性。
その存在が近くにあるだけで、患者の数値は安定する。
非科学的だった。
だが再現性はあった。
やがてその現象は解析され、
女性の興奮状態における遺伝子サンプルから新薬が開発される。
世界は救われた。
女医は称賛され、頂点へと登りつめる。
——だが、その頂には誰もいなかった。
そんな彼女のもとに、一報が届く。
唯一、自分を“人間”として見てくれた男が倒れた、と。
女医は現場へ向かう。
新薬を投与する。
——効かない。
あり得ない。
何度試しても、彼だけは回復しない。
記憶がよみがえる。
孤独な自分に歩み寄ってきた、ただ一人の存在。
だが彼は結婚し、自分のもとを去った。
その関係は、最後まで“友人”だった。
それでも。
彼を失うことはできない。
女医は決断する。
誰もいない病室。
静かに鍵をかける。
白衣を脱ぎ、彼に触れる。
その瞬間——
彼の指が、わずかに動いた。
やがて目を開く。
苦しみと、安らぎが入り混じった表情で。
その光景を見た時、女医は理解する。
——あの時の患者。
あれは、彼だったのだ。
すべてが繋がる。
彼は回復した。
だが、疑問は残る。
なぜ、彼だけ新薬が効かなかったのか。
女医はサンプルを採取し、その場で解析する。
そして——答えに辿り着く。
これは自然のものではない。
ウイルスは改変されていた。
誰かの手によって。
音声入力をチャッピーに整理してもらっています。そしてそれの改善バージョン( ˊ̱˂˃ˋ̱ )✌︎