それは、偶然の事故だった。
任務の最中だった。
ただ、目の前の怪獣を追いかけていただけだった。
そのはずだった。
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ウルトラマンの視界に、一つの小さな影が入り込む。
それは戦闘機だった。
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だがその機体は、まるで怪獣をかばうように、進路へと割り込んできた。
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ほんの一瞬の接触。
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だが、その結果は決定的だった。
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機体は地に落ち、動かなくなる。
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ウルトラマンは、その場に留まる。
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なぜ、かばったのか。
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答えはない。
だが、その疑問だけが残った。
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その人間は、すでに死んでいた。
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それでも、ウルトラマンは目を離せなかった。
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気づけば、自らの姿が変わっていた。
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倒れているその人間の姿を、なぞるように。
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理由ではなかった。
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ただ——その意味を知りたかった。
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それが、すべての始まりだった。
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やがて、ウルトラマンは“ハヤタ”として地上に存在することになる。
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だがその前から、違和感はあった。
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光の国の方針。
怪獣を排除せず、捕らえる。
監視し、管理し、利用する。
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(なぜ、そこまでして捕らえる必要がある)
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疑問はあった。
だが、掟の前では意味を持たない。
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そしてある日。
脱走した怪獣の追跡任務が下る。
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映像に映るその姿を見た瞬間、
ウルトラマンは再び違和感を覚える。
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怯え、逃げているだけの存在。
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「これが、本当に敵なのか」
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答えは出ないまま、追跡は続く。
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やがて、怪獣を追い詰める。
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だが、その場で動けなかった。
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変身できない。
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「なぜだ……」
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力はある。
だが、戦う理由が定まらない。
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その迷いの奥には、ハヤタの意思があった。
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理由も知らずに、命を奪いたくない。
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その時だった。
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「……助けてくれ」
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怪獣が、声を上げた。
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ウルトラマンは問いかける。
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「なぜ、俺に話す」
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怪獣は答える。
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光の国では、誰も話を聞かなかった。
掟のためなら、小さな存在など顧みない。
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だが、お前は違う。
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人間を助け、その姿になり、その人生を背負っている。
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「だから、お前なら信じてくれると思った」
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そして怪獣は語る。
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各地で怪獣が連れ去られ、実験に使われていること。
さらに、焦った戦士が無実の怪獣に罪を着せ、
数を確保しているという事実。
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「俺は、その一匹だ」
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疑問は、確信へと変わる。
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その瞬間——
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光が走る。
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ゾフィーの一撃が、怪獣の体を貫いた。
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崩れ落ちる体。
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「……ウルトラマン……」
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「助けてくれ……」
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「俺は……帰りたかっただけなのに……」
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「死にたくない……」
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その声が途切れる。
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その瞬間、ウルトラマンの体が動いた。
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考えるよりも先に。
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光が弾ける。
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巨大な姿となり、倒れゆく怪獣の体を受け止める。
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間に合わなかった。
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それでも、支えた。
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その腕の中で、命が消えていく。
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ウルトラマンは、ただ受け止めていた。
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ゾフィーが言う。
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「その怪獣を渡せ」
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「計画に必要だ」
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ウルトラマンは、静かに首を振る。
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戦いが始まる。
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その姿は変わっていた。
白から赤へ。
命を宿した存在へ。
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だがその力は、人間の肉体を削る。
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膝が崩れる。
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ゾフィーが光を構える。
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その時、ウルトラマンは口を開いた。
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「……すまなかった」
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「任務の邪魔をした」
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「だが——頼む」
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わずかな沈黙。
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「怪獣のプロジェクトを見直してくれ」
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「中止しろとは言わない」
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「だが、選別しろ」
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「本能のまま暴れる者もいる」
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「だが——今回のように、ただ静かに生きたかっただけの存在もいる」
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ゾフィーが問う。
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「証拠もないのに、その怪獣を信じたのか」
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ウルトラマンは答える。
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「ああ……信じた」
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「確かに証拠はない」
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「だが、それでも信じた」
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そして続ける。
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「もし、まだ俺を仲間だと思ってくれるなら」
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「その意思を、継いでくれ」
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沈黙。
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ゾフィーは、何も言わない。
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ただ、光を放つ。
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ウルトラマンは、それを受け入れた。
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その瞬間——
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静かに、消えていく。
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残されたのは、ハヤタの姿をしたままの存在。
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それは人間でもなく、
ウルトラマンでもなく、
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ただ——意思だけを残した存在だった。
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後に、真実は明らかになる。
冤罪を作り出した戦士は処刑され、
怪獣のプロジェクトは見直されることとなった。
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光の国は変わり始める。
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力ではなく、意思で戦う道へ。
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その意志はやがて人間へと繋がる。
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光と人間が交わるとき、
新たな戦士が生まれる。
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その伝説を、彼らはまだ知らない。
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■終わり音声入力でチャッピーに整理してもらっています、アイキャッチ画像も作成していただいています( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
