社会の歯車

社会の歯車。

この世で、最も非常な言葉かもしれない。

簡単に取り替えがきく。

どこにでもある、消耗品のように扱われる。

だが、技術者は気づかない。

その歯車が、どれだけ全体を支えていたかを。

ボディーに入った小さなヒビに、気づかない。

他の歯車にも、日々ゆっくりとヒビが入っていることに。

ひとつ歯車が取れたとき、

本当は全体を見直すべきなのに、

技術者はこう言う。

「今まで壊れたことがない」と。

人間も同じだ。

ボディーの替えなどない。

どれだけ優れた設計でも、

それを支えているのは、ひとつひとつのボディーだ。

だが技術者は、部品だけを取り替える。

ヒビ割れには、決して気づかない。

小さな、小さなヒビ。

それが、ある日ひとつにつながり、

ボディーそのものを壊してしまうかもしれない。

その危険性に、気づかぬまま。